大学OBとして、長野の保養所へ一泊。
朝方、変な時間に起きる。
いつもの事のように。
ただ、なんだか背中が痛いなぁ、ひさびさの布団だからなのかななどとぼんやりしていると、
どんどん痛くなったような気がして、今度は腹部が痛くなってきたような気がした。
トイレへ行き、出すものを出そうと頑張るが後ろは無反応。
ありゃ、なんか変なものでも食べたのかな。
いや、数日前健康診断再検査のバリュウムが残っているかも知れない。
そうだ、バリュウムかもな。
冷や汗が出ているような気もするけど、高原で寒いから布団のかぶりすぎかな。
お腹と背中が信じられないほど痛いような気もする。
気のせいかもしれないけど。
いや、未知の痛みなのかもしれない。
腹に残ったバリュウムに違いない。
痛いけど、痛いってなんだっけ。
あれれ、痛い。本当に痛い。本格的な痛みのような気がする。
バリュウムめ、ひどいことしやがる。
とか言っていると、吐いているし。
バリュウムさえ出さえすれば。
あぎゃー、痛みで動けない。
ひー、痛い!痛い!
ってことで、そのまま救急車で搬送される。
ドップラー効果のない救急車の中で、原因はあのバリュウムに違いないっと確信する。
病院で、なにげにおならプーでバリュウムがポロリ排出。
それで痛みがなくなった後、どういう顔をしたらいいのか。
なんともご迷惑なお話。
などと考えていると、また嘔吐。
人前で嘔吐するなんて、誰もが納得の病人ぽさの演出である。
さすがにここまで病人ぽかったら、本当は病人じゃなくても許してももらえるだろう。
病院へ着き、血液検査だのCTだのレントゲンだのエコーなど取る。
ほれ、バリュウムが映っているだろう。
早くかんちょーしてこの痛みとおさらばしたい。
先生へ伏線として、先日バリュウムをインストールした話をねっちり話す。
これで、写っているものがバリュウムだとすぐに分かって頂けれるだろう。
そして、先生の意外と早い結論
「こりゃねぇ、急性膵炎でしょうね。」
バリュウムじゃありませんでした。
病名もありました。
ってことで、富士見高原病院にそのまま入院。
尿道にカテーテルとインストールするという激痛に耐え、そのまま点滴づけの毎日。
ついでに、膵臓を見るために造影剤なるものもインストール。
大砲みたいな注射を打ち込むと体がカーっとすて体から変な臭がする。
燃えるかと思っったよ。
なによりも、総じて不思議な病院だった。
昔は、結核治療で多くの患者を受けいていたそうな。
高原治療とかいって。
総じて非常にポテンシャルが高い。
先生は妙に的確。
「ほとんどの原因はお酒、理由はわかりません。」と統計学的な結論。
実に信頼出来る病院である。
病院食は重湯ですらうまい。
そして看護師がやたらとプロ意識が高い。
カテーテルインスール時は動物的な殺気すら感じた。
その殺気に押されて、出すものあっさり出しちゃったし。
そして看護師なのに聴診器当てまくる。
その代わり先生は、あんまり聴診器当てない。
なんだかわからんけど、こっちの正しいような気がする。
病院の的確な判断により、数日後にはすっかり元気。
結果が軽くて一安心。
そして点滴がとれて、病院が山の中にあってびっくりした。
環境もいいし、飯も暖かくて旨い。また、入院したいわぁ。
いや、急性膵炎とカテーテルインストールはもう勘弁。いや、ほんと。
酒はやめよう。本当に。